「すまん。なめてた。この映画凄く面白い」
「なぜこれを見たいと思ったの?」
「コミックガンバスター2で、カット割りのテンポは岡本喜八ですよと言われたもりたけしさんが借りて見ていたから。その頃から頭の隅に引っかかっていたんだよ」
「今までずっと見ていなかったの?」
「まあそういうことになる」
「ジャズ大名は初めて?」
「いや、原作小説はとっくに読んでいる」
「原作と比較してどう?」
「原作も面白かったが、映画も面白い。これはいいものだ」
「どこが良かった?」
「幕府と新政府のどちらにも味方せず、ひたすら演奏をしているところかな」
「それだけ?」
「城を改造してただの道にしてしまうのも面白かったし、主人公の下の妹も面白いキャラだよね。ソロバンに乗って移動したり」
「音楽的には?」
「最後の方はほとんど台詞が無いんだよね。もう音楽にみんな巻き込んでそれだけで話が進んでしまう」
「そこがいいわけ?」
「そこもいいが、話の筋がすっかりしているのがいい。結局、戦争はしたくないんだよね。反戦映画という軸がある」
「他には?」
「字幕でいちいち突っ込むのが楽しいんだよね。岡本喜八的な映画観の面白さなのだと思う。楽しい」